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建造し、計画地まで曳航し、浸水・軟着底させる。これらを接続して半径1kmのドーナツ状の人工島を作るものである。設置圧はバラスト水で調節することができ、7〜8階建のビルに相当するビルを建造したとして、軟着島の全重量は1800万tfになると言う。軟着島には住宅、オフィス、レジャー施設、駐車場など、あらゆる都市機能が導入される。居住人口7万人、就業人口4万人の都市となる。工期10年、工費1兆5000億円程度と予測されている。

 

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飛島建設の「若狭湾トライポート・ポリス」は、環日本海経済圏構想を支援するもので、若狭湾の沖合に約1000haの浮体式人工島を建設しようとするものである。人工島には空港、居住施設、廃棄物処理施設などを整備し、人口100万人程度の都市とする。また、人工島の西側に15kmの橋を設置し、東側には39kmの水中トンネルを設けるものである。工期は25年、建設費は30兆円と見込まれる。
川崎製鉄の「海上都市構想」は水深30〜50mに浮ぶ6250haの軟着底式人工島で、東西2つの島からなり、重工業、先端産業、処理、今日重、商業、空港、流通リゾートなどのゾーンから構成される。陸域とは全長7kmの斜張橋および浮体橋梁とで結ぶもので、総工費29兆円、鋼材使用量約1億トンと見込まれる。
このほか、マリンフロート推進機構に関連する「小笠原洋上新都構想」および「多目的海上都市構想」などがある。
参考文献:
1)日建設計(株):軟着島/新しい海上都市構想、1990.3.
2)川崎製鉄(株):Enginneering&Construction,1992.7.

 

 

 

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